稚拙な短歌


  滅多にないのですが、誰かの誕生日とかおめでたい時に短歌や俳句をひねったりすることがあります。全く自己満足に過ぎませんが、後で読み返すとその当時のことが鮮やかに思い出され、いい思い出になります。どのような背景で作ったのかも簡単に書いておきます。
 

芳しい 香りと共に 糸を引く 我がうるわしの 納豆・オクラ
  これは1992年6月に1年ぶりに日本に戻って来て最初に食べた納豆とオクラがあまりにもおいしくて感激した時に作った一句です。

1995-11-22
1.10才の 娘がなんと チェスはじめ 家内相手に 連続王手
2.感謝祭 七面鳥を むさぼって 気掛かりになる 腰の贅肉 
3.15才 親はどうでも 良いけれど 即反応す 彼氏の電話 

    上記3句は去年の感謝祭の休みに作ったものです。1はチェスを習い始めた娘が母親に挑戦してチェスがあまり上手ではない母親を追い詰めている光景を見て作ったもの。2は感謝祭のいろいろな料理を食べた後罪悪感に襲われた時のもの。3はアメリカの典型的なティーンエージャーに成長した娘を見て作ったもの。

1995-11-30 読み教材作りに追われて
1.問題が なかなか出来ぬ 試験前 当たり散らして 不満発散
2.感謝祭 終わるとすぐに バーゲンで いやが上にも 買い物気分
3.モールにて 子供と共に 写真取り 仕事はつらし サンタクロース

  1は去年感謝祭の休みが終わり12月15日からのテストのために読み物を作っていた時のもの。2、3は読み物作りの後買物に行った時の光景を詠んだもの。

1995-12-19
師走とは 教師が走る 季節なり テスト、採点 成績、質屋

  これは去年の年末に作ったもの。

1996-6-29
1.目の前で 優雅に泳ぐ いか達が あっという間に 刺身に変身
2.コンピュータ 動く間は いいけれど フリーズすると 即役立たず
3.図書館で 急に鳴り出し 大慌て 放り出したい 携帯電話

  1は南山大学で話をした後で先生方と日本料理屋に行き、生きているいかが料理されて刺身で出てきた時の驚きを歌ったもの。2はコンピュータ教材を作成中コンピュータが突然フリーズしてしまい、頭に来た時詠んだもの。3は静粛な閲覧室で突然大きな音で電話が鳴りオロオロしている女子学生を見た時のもの。

1996-7-01 早朝ランニングの途中で
ホームレス 歌い疲れた 若者と 一緒に座る 朝の公園

  5時ごろ池袋西公園のベンチで顔を洗ったばかりのホームレスとカラオケから出たばかりと思われる若いカップルが長いベンチの両端に座っているのを見て詠んだもの。

1996-7-9 電車の中で
ファッションを 見れば見るほど 楽しけり 茶髪 ポケベル 携帯電話

 日曜日日中の山の手線で目にした光景。

1996-7-24 美女に囲まれて
メートルが 上がると共に 鼻の下 意志に反して 長くなりけり

  カイ日本語スクールの美人4人がアパートに訪ねていらして、ついつい酒量も多くなりデレーっとしまりのない顔になったなと自分でもわかった時に詠んだもの

1996-7-29 再び電車の中で
1.流行に どっぷり浸る 日本人 猫も杓子も 携帯電話
    2.ピュルピュルリ 携帯電話 鳴り出すと 我も我もと 鞄まさぐる

  かなり混雑した中央線の電車の中で携帯電話が鳴り出し、乗客の何人かが自分への電話かと思って電話を確認した光景が面白かったので詠んだもの
1996-8-05
プレッシャー かけるばかりで 無責任 選手みんなで マスコミ叩け

  マスコミの騒ぎ過ぎで選手に余計なプレッシャーを与え、メダルが取れないことに憤慨して詠んだもの

1996-10-10 体育の日に
じわじわと 押し寄せて来る 年波に 抵抗しつつ 負けの心境

  最近テニスで同じ相手に3度も続けて負けたり、女子テニス部のナンバーワンに負けてしまったりして、自信を失っている自分が情けないと思って詠んだもの

1996-10-24
1.時差ボケは 外国へ行く だけじゃない 素直な身体 3時におはよ(う)
2.落ちて行く 葉っぱと共に 過ぎ行かん 秋の終わりに しばしの別れ
3.人生は 一度きりよと 知りつつも また無為無策 今日も反省

  1ー週末にサンタモニカに行き、時差ボケに悩む老骨を嘆いたもの
2、3ー紅葉を眺めつつ詠んだもの

1996-12-13 今学期最後の日に
念願の ジャイアンツ入り 堂々と これみよがしに YGマーク

  西部ライオンズ清原選手の巨人入りというニュースに接して

1996-12-17 テスト期間で一息ついている時
張り詰めた 神経一度 緩めると たちまち襲う 風邪の軍団

  一学期ずっと緊張して病気にならなかったのに、テストが始まりホッとした途端ダウンして

1997-1-8 娘の運転を経験した時
助手席を デスシート(Death Seat)とは よく言った 父はブルブル 震えるばかり

  保護者と一緒なら運転してもいいという免許をもらい15才で運転を始め、初めて助手席に座らせられた時の気持ち。飛行機に乗る時よりもずっと恐怖でした?!

1997-8-31 レキシントン・オープンを終わって
ああ無情 光るトロフィー 前にして 今年も怪我で 優勝逃す

  テニスのレキシントン・オープンで去年準優勝だったので今年こそ優勝と意気込んで出場したのに決勝でかかとの靱帯を負傷して泣く泣く棄権。

1997-9-9 新学期を前にして
今年こそ 欝にならずに 迎えよう 決意ばかりの 新学期前

  毎年新学期が始まる前の数日仕事に戻りたくなくて気分が滅入ってしまうので、今年は新たな気分で気持ちよく新学期を迎えようと思ったのに、結果はいつもと同じなのでガッカリして詠んだもの

1997-9-10 夏休みを思い出して
あっ、これは 思わず視線 釘付けに 花一面に これぞ天国

  夏休み東京で澤野新一朗という写真家が撮影した天国を思わせる南アフリカの花畑の写真を見て感動した時の気持ちを詠んだもの

1997年10月カラマズーのホテルで避難騒ぎがあって
したたかに 飲んで泥酔 こりゃいかん 非常階段 見えぬ足元

非常階段を 急いで下りよ うとして感じた時に感じた気持ちを詠んだもの

胆つぶす 緊急ベルに 目が覚める 一目散に 非常階段

部屋の外で只ならぬ音がして避難した時の気持ちを後で綴ったもの

ぬいぐるみ 脇に抱えて 悠々と 階段下りる 女性うらめし

できるだけ早く一階に着いて外に出なければと思っているのに、寝ぼけ眼でゆっくり歩いている女性を見てイライラしながら感じた思い

我が命 煙と共に 消え去りぬ そんな思いに 背筋凍(こご)えし

非常階段を歩いている時に突然感じた思い

飲み会も その場は楽し 極楽よ 熟考すると 場所によりけり
命とは 生きてる者が 思うもの 煙で死ねば 極楽便り
生ありき 生きてる者の 使命とは 次の世代に 伝える何か

飲んでその後何もなければハッピーだなという思いしかなかった呑ん兵衛が恐怖を感じた時


娘の卒業式に出席して謳ったもの(1998年6月13日)
ガウン着て 記念撮影 はっとする 娘17 父は中年
17の 娘一人で 成長し 卒業式で 親父オロオロ
証書見せ 得意満面 笑み浮かべ ガウン颯爽 若さみなぎる
長女見て 次女の卒業 何時かいな 指折り数え ため息をつく

日本に滞在していた夏(1998年)にバスの中から友人に挨拶するが一向にバスが動かないので、二人とも嫌な雰囲気になった時

知人見て 挨拶がてら 手を振るも 動かぬバスに 二人イライラ


1999年2月医者から禁酒を言い渡されて

飲ん兵衛が 酒を断たれて 何残る 素面の素顔 何を求める

日に一杯 ワインが喉を 通るとさ これぞほんとの 雀の涙

酒飲めぬ 人生これは 何ぞやと いくら思うも 答え出て来ず

酒断たれ 他に残るは はて何か すべて空しき これからの道

飲み尽くし 人生すべて 閉ざされた 他に残るは 我の亡骸(なきがら)

人生は 酒と共生 バラ色が 検査と共に 駆け足地獄

禁酒令 晴天霹靂 無情にも 意志に背いて 五十路歓迎


2000年1月7日
2番目の娘が15歳になって両親と一緒なら運転ができる免許を取る資格が出来る数週間前に詠んだもの
アメリカでは父親か母親が助手席に座って辛抱強く運転の仕方を教えなくてはいけないのです。娘の運転する車のデス・シートに乗る勇気がない父親の気持ちです。
お父さん 私の車 どうですか いやはやなんて 断わろか

如何にして うまい理由を あみだすか 避けねばならぬ 助手席よ

お母さん 遠慮せずに 助手席へ そこはあなたの 専用席じゃ 


2000年7月一ヶ月日本を旅行した時に詠んだもの

黙々と 歩き回った 京の街 日暮れと共に 三万歩強
(京都で金閣寺、銀閣寺と徒歩で一日中歩いた日)
金閣寺 いざ撮影と 張り切るが 一枚撮って バッテリー切れ

2000年8月、一ヶ月の日本旅行から帰って
オフィスにて 仕事再開 気はあるが しばし待てよと 体抵抗
夏休み 楽しむ時間 あったのか 終わり近付き 満足度ゼロ
9月から 5月末まで 息付けぬ 夏休みだけ 飲み屋回りを


2000年9月テニスのレキシントン・オープンの後で
「二十路代 何ぞとばかり 抵抗し 目出たく取った 優勝カップ」
(準決勝、決勝の相手が23才のロースクールの学生二人だったのです!)
「よく見ると どちらが勝者 分からない 疲れ切ってる 五十路男性」
(全力を出し切ったので、さすがに試合の後は疲労困憊で冗談を言う余裕もないという次第でした)


2002年11月アクトフルの学会出席でのハプニング
空港で 霧には勝てぬ 待ちぼうけ  離陸せぬかと 辛抱強く
  (4時間待たされた挙げ句、最終便のフライトを逃した時の心境)
疲れ果て 辿り着くなり  チェックイン 思いもかけず キャンセルとは
ふざけるな 一泊分を 前払い それでもマジに キャンセルか?
(ホテルに着いて予約が全部キャンセルされたと知った時の一句)
部屋を見て 頭の中が 真っ白に 頼んでおいた 機械いずこに?
(ペーパーの発表の30分前にプロジェクターがないことに気が付いた時の一句)

怎Cジケビッチ
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