スミス:最近日本人はよく肉を食べるようですが、肉を食べる習慣は古くからあるんですか。
山下:いいえ、昔は四つ足の家畜を食べてはいけないという仏教の教えの影響があって、日本人は肉を食べませんでした。
スミス:じゃあ、日本人は動物の肉を全然食べなかったんですか。
山下:いいえ、野鳥や猪、鹿などを食べた日本人もいたようですが、豚肉や牛肉は食べませんでした。でも、日本の周りは海なので、日本人は肉を食べませんでしたが、魚や貝をたくさん食べていました。スミスさんはアメリカ人だから肉が好きでしょう。
スミス:ええ、大好きです。でも、アメリカと比べると日本では牛肉が高いですねえ。
山下:そうですねえ。特に、神戸牛(こうべぎゅう)という神戸の牛肉は牛にビールを飲ませて肉を柔らかくするそうなので、レストランでステーキで食べるとおいしいですが、とても高いです。
スミス:ええ、私も一度神戸に行った時にレストランで食べましたが、とても高くてびっくりしました。日本人が牛肉を食べるようになったのはいつごろからですか。
山下:それは明治時代になってからです。明治時代になって肉をよく食べる外国人がたくさん日本に来るようになってから日本人も牛肉を食べるようになりました。「すき焼き」もそのころから食べられるようになりました。
スミス:豚肉はどうですか。
山下:豚肉は、江戸時代日本が鎖国をしていた時に長崎の出島でオランダ人が豚を飼ってハムやソーセージを作っていて、沖縄では中国から来た人がよく豚肉を使った料理を作っていたそうです。でも、普通の日本人が豚肉を食べるようになったのは明治になってからです。
スミス:鶏肉(とりにく)は?
山下:鶏(にわとり)は四つ足の家畜ではないので、もっと早くから食べたようです。室町時代の終わりごろか江戸時代の初めごろから食べたらしいですよ。でも、普通日本人がよく鶏肉を食べるようになったのは江戸時代の終わりごろだそうです。
スミス:そうですか。鶏肉と言えば、卵は昔から食べたんでしょうか。
山下:はっきりしたことは分かりませんが、江戸時代の料理の本を読むと、鶏肉の料理についてはあまり書いてありません。でも、卵の料理についてはいろいろ書いてありますから、多分卵を食べる習慣の方が早く始まったんでしょうね。ところで、スミスさんは「親子丼」という料理を知っていますか。
スミス:ええ、一度友達の家でご馳走になりました。
山下:どうして「親子丼」というか知っていますか。
スミス:いいえ。
山下:「親子丼」には鶏肉と卵が入っているでしょう。卵から鶏肉が出来るのか、鶏肉から卵が出来るのか分かりませんが、鶏肉と卵は親と子供の関係ですから、それから「親子丼」という名前が付けられました。
スミス:そうですか。面白いですね。
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